2020年本屋大賞ノミネート 話題の小説『線は、僕を描く』の著者であり水墨画家の砥上裕將さんの言葉 水墨画を学んでいる人の作品を見ると、多くの場合、無駄な一手がある。“うまく描きたい”という欲望やさまざまな心境が線に表れ、それをごまかそうとして、いらない線を描き足してしまうんです。それで次第に絵が崩れていく。
小学校の頃書道を習ったことがあった、3級で終了した。感じたことは、書道は、その日の1枚目が一番良い、書けば書くほど悪くなる感じがした。1枚目が勝負だった。早く終わってみんなと野球がしたかった。
デザインを専門学校で学んだ際、鉛筆によるデッサンがあった、輪郭を表す線を書いていると1本、2本と一番美しい線を求めて書き込んでいた。結果として絡み合った太い線が残っているだけとなる。
失敗は、どこにでもある。その時、SI(システムインテグレーター)の世界では、そのままとは行かない、正しい値に修正する。その後、経緯を理由をつけで報告する。再発防止に理由はいるし、お客様に伝えるには表現方法、言葉を十分選んでお伝えする。それが誤魔化そうとした、いらない線と感じる時がある。
一面失敗が許容されるから言えることもある。人命がかかったプロジェクトではまた違う意見もあると思う。